Importante Esprit用語解説

2 機械人形(レム・キトル)


(1)機械人形(Lem-Citr)とは

 無機物で構成された体を持ち、内臓命令によって自動で動く人形を総称して呼ぶ。現在は技術の進化も相まって、自らに内臓された命令、および過去の行動記録から算出できる行動パターンが取れるようになっている。
 機械人形の歴史は古く、神のいた太古より存在するとされている。機械人形の形状は二種類あり、現在も遺跡などから発掘される。ちなみに現在は混合期と呼ばれる時代。以下、大雑把な歴史。

・3500年以上前
 いわゆる『装甲人形期』。魔金属の外殻装甲を装着した機械人形の時代。防御力に優れるが、機動性と敏捷性に欠ける。また細かい作業は得意でないので、この時代ではもっぱら細かい手作業は人間が行っていた。
 ちなみに魔金属とは、採掘された金属に魔術を施して強化したものの総称である。これらの持つ欠点を克服し、機能上限の限界を極めた最高傑作が、後に本編に登場する「神の番人」と呼ばれる装甲機械人形である。

・〜500年ほど移行・開発期に入る

・3500年前
 『擬人人形期』の到来。人間により近い外見にするため、外殻装甲に変わって人工皮膚を装着した機械人形の時代。人工皮膚に特殊な細工をすることで、人間のそれよりも丈夫なものになっている。
 擬似皮膚は魔金属の外殻に比べてきわめて軽いため、敏捷性や機動性も大幅に改善された。その分だけ壊れやすくなったことは否めない。この方法が開発されてからさらに500年、防御力をあえて無視し、機動性・敏捷性及び破壊力重視の機械人形は一体だけしか成功しなかったという。それが後に最強の守護者と謳われたメリッサである。

 それ以降は混合期。主に重労働をするのは装甲型(ミノア 'Minor'Lem-Citr)、人間の身辺の世話など、細かい作業は擬人型(ヴィンカ 'Vinca'Lem-Citr)と相場が決まりつつある。戦闘用の機械人形に関しては、カレンドラ以外にはあまり知られていない(カレンドラには『神の住む家』が存在し、そこを護る護衛用の機械人形がいたため。またカレンドラの市街地は平和だったので、護衛の機械人形はいらなかった)もっぱら古代の機械遺跡などにある機械人形が、いたずらに入り込んだ若者を脅かす程度にしか知られていない。擬人人形型も存在するが、やはり戦闘に耐えられるだけの技術は失われている。なお、アーティチョークは太古の戦闘人形の流用なので、例外にあたる。

(2)外見的特徴
 機械人形には、「機械人形章」と呼ばれる紅い印がつけられている。章には特殊な仕掛けが施されており、簡単にスイッチが切れないようになっている。仕掛けは「技師(バルム Balm)」「機械師(レミオドーラ Lemiodora)」またはそれ相応の技術と知識を持った人間にしか解除できない。擬似人形型は額、装甲人形型は人間で言う顔の部分全体に印がある。これがある場所にメインメモリ・メインプログラムなど、人間の脳に値する重要なものがある。擬似人形型はより人間に近い形で作られているため、動力炉とメインメモリは別になっている。装甲人形型は旧式なので、全て頭部に収容されている。



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