『螺旋ノ彼方』世界観設定集

5 ハンターとは


 人々のために働くものたちを総称してこう呼ぶ。こちらの世界で言う警察のような役目も持っており、悪事を働いた人間を捕らえたり、犯罪行為の取締りを行うものもいる。一般市民の保護と安全の確保を最優先としているので、魔物退治を行うこともあれば行方不明者の捜索をしたりすることもある。
 ハンターの仕事は基本的に危険が伴うことが多いので、ハンターになるためにはある程度の身体技能、戦闘能力を持っていることが前提条件である。逆に言えば、ある程度の身体技能及び戦闘能力をクリアしていれば、成人していない子どもでもなることができる。試験を受けて、ギルドと呼ばれるハンターの協会に認められれば晴れてハンターになれる。もちろん性別は問わない。
 身分証明は白い長鉢巻とギルドから支給される連絡石、ギルドから発行される身分証明書で行われる。身分証の所持と鉢巻の着用、連絡石の着用はハンターの義務とされており、これを怠れば罰金が科せられる。連絡石はギルドから配信される緊急の連絡を受けるために必要不可欠なもので、ブローチ型の通信機(「機ノ国」製)になっている。身分証は特に求められなければ提示する必要はないが、提示すると物がちょっとだけ安くなったりして便利。
 ギルドは目立つように黒く塗られた看板を出しており、そこで一般市民からの依頼を受け付ける。受け付けた依頼は、依頼人の提示した報酬分+その依頼の危険度に応じた金額でハンターに公開される。魔物退治はギルドが独自に調査したり、周囲の市民からの情報などから調査して判断し、危険度に応じて金額がつけられる。危険であればあるほど金額は上昇する。
 ただし、依頼遂行が失敗すると金額は支払われない。依頼遂行の際に万が一ハンターが死亡したときは、連絡石が身につけた者の死を連絡するようになっている。また別のハンターがその死体を見つけた場合、鉢巻と連絡石、身分証にくわえて体の一部分をギルドに提出することになっている。それに対しては礼金が支払われる。さらにその後は仕事を引き継いで遂行することになっている。この制度を利用した悪質なハンター殺しが増加したことが、ギルドの悩みである。
 所持する武器はハンターによってそれぞれだが、「機ノ国」で作られる特産品『武器ノ石』が携帯に便利なため、特に好まれて使われている。武器の封印には紅鮮石(こうせんせき)が使用されているが、これは硬度が高く長持ちするためである。紅鮮石は「機ノ国」でしか取れないため『武器ノ石』は自然に高値になるが、長く持つのでスペアを二つほど買うだけで事足りる。また、燃料ともなっている石の魔力が尽きると、『石』は『武器』と共に消滅する。
 欠点として『武器』と『石』が切り離せないことがあげられるが、熟練したものにとってはさほど大した問題ではないだろう。『石』に封じられた『武器』は、買う際に鍵となる『力アル言ノ葉』を定めてから初めて使用できる。鍵は持ち主の声にのみ反応するように作られているため、誰かに悪用されることはない。
 当然ながら、昔から使われている剣、槍、斧、弓矢、『石』に封じられていない古いタイプの銃などを使うハンターもいる。自分の命を預けるためにも、いかによい武器を選ぶか、いかに自分に見合った武器を選ぶかもまた重要な仕事である。



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